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質問
次に災害に強いまちづくりについて伺います。
4月に発生した熊本地震より半年が経とうとしております。
本区として、この熊本地震を教訓にどの様な防災対策に取り組んでこられたのか、まず伺います。
災害とは、地震や台風、集中豪雨などが起こり、それによって人的物的に被害を受けた時に発生する。つまり災害とは、原因ではなく結果であり、そうした不幸な結果とならない様な取り組みが「災害に強いまちづくり」と思われます。
明治大学大学院の中林教授は、災害に強いまちに求められるのは、事前防災の実践、減災・継続の準備と体制、そして事前復興の準備と実践の三つの取り組みが大切である、といわれております。
建物の耐震化・制震化・免震化なども事前防災の一つと思われますが、本区としての取り組みを伺います。
また、発災後に被害の拡大を防ぐ「減災」はとても重要であり、被災時を想定しての業務継続の取り組みや備蓄などを事前に検討し、体制整備も必要なことと思います。
行政として、業務継続を可能にする為の事前の取組みをどの様にされているのか。区民の備蓄状況をどの様に把握されているのか。区民の皆様が備蓄物資を点検する日などを設定してはいかがかと思いますがご見解を伺います。
更には、復興の進め方や復興対策を事前に準備し、訓練することも災害に強いまちづくりに繋がるものと思います。
そこで、本区として復興対策をどの様に取り組まれているのか伺います。
そして何より、災害に強いまちづくりの基本である事前防災の主役は区民であり事業者であります。自助の取り組みによって被害を軽減した区民や事業者の余力によって共助を可能にすると思います。自助なくして共助なしであり、公助は、自助と共助を支援するものと思いますが、その取り組みについても伺います。
次に避難所の「質の向上」について伺います。
避難所は災害で家を失うなどした被災者を収容・保護し、避難生活を支える為の施設ですが、現実には衛生、プライバシー、育児、介護などの生活にかかわる諸課題が問題視されております。
熊本地震の時も、避難所の質の向上がより具体的に問われていました。
一つには、避難所・避難生活が多様な形態を取る事を想定した支援の仕組み作りであります。指定避難所だけでなく、指定外の中小の避難所、在宅避難者、熊本地震では車中避難者も多くいました。避難の対象を明確にして平常時から支援の方法を詳細に提示する事、特に要配慮者にしっかりと支援が届くようにする必要があると思いますが、その取り組みについて伺います。
例えば、ある自治体では、災害時の物資の搬入拠点をあらかじめ区に届けるようにして、在宅避難者支援の仕組みを構築しようとしているそうであります。
また、避難所に避難行動要支援者名簿を配置して、避難所を拠点として弱者支援を行う体制を構築しようとしている自治体もあるそうです。
本区としての取り組みはいかがでしょうか伺います。
二つには、多様な避難者の存在を前提とした被災者支援の取組みです。
避難をされる人は、高齢者・障害者・慢性疾患者・乳幼児・妊産婦の方など様々です。これまでの激甚災害での避難所では、互いのプライバシーを守れず、被災者の状況に応じた生活空間への配慮が十分に行われない結果、泣きじゃくる幼児や精神・知的・発達障害などの人、認知症の人などが落ち着いて過ごすことができず、肩身の狭い思いをして出て行かざるを得ないというケースはよくあったそうであります。
いずれにしても、避難所の質の向上は、マニュアルを作成するだけではなく、運営に携わるであろう関係者にその内容を事前に認識してもらい、具体的なより実効性のある学習と訓練を行う事が必要です。想定外なことにも対処できる事前の準備が大切だと思いますがその取り組みについて伺います。
そして、行政内の横断的連携による避難所の支援体制づくりは必須の条件です。その取り組みについても伺います。
答弁 |
区長 |
次に、災害に強いまちづくりに関するご質問にお答えします。 まず、熊本地震を教訓にした防災対策についてのお尋ねですが、 熊本地震の発災後、区では、支援業務や現地の状況確認のため、職員を派遣してまいりました。 職員が現地で得た教訓や課題としては、応援職員や災害ボランティア等の人的支援の円滑な受け入れ方法、救援物資の適切な配布方法、り災証明の迅速な発行方法等があげられ、現在、これらについで検討を進めているところです。 今後も、熊本地震の教訓を「地域防災計画」をはじめ、区の防災対策に生かすよう取り組んでまいります。 次に、建物の耐震化等に関する取り組みについてのお尋ねですが、 区では、「耐震改修促進計画」を策定し、耐震診断・改修設計・改修工事費の助成のほか、専門家アドバイザー派遣や、相談会・耐震フェアの開催など、普及啓発活動を行つてまいりました。 今後は、これらの取り組みを更に進め、災害に強いまちづくりに努めてまいります。 次に、業務継続のための取り組みについてのお尋ねですが、 区では、「事業継続計画」を平成23年度に策定し、災害発生時に、非常時優先通常業務に円滑に移行する準備をしております。 また、毎年実施している危機管理対応訓練の際にも、初動対応についての訓練を行い、業務の継続に備えているところです。 次に、区民の備蓄状況についてのお尋ねですが、 昨年度、区が実施した世論調査では、食料、飲料水を確保しているとの回答割合は、69.7%となっております。今後もローリングストック法などによる家庭内備蓄についての啓発を図ってまいります。 また、ご提案の備蓄物資の点検については、都が11月19日を「備蓄の日」と定めており、区としても、「備蓄の日」を活用した周知等について検討してまいります。 次に、区の復興対策についてのお尋ねですが、 区では、「震災復興マニュアル」に基づき、復興対策を行うこととしております。 本マニュアルは、国の指針に基づき、生活や都市の復興に向けた事務・作業の手順及び市街地整備の計画や手順を整理したものです。 マニュアルに定める被災者の生活再建のための業務の一部である「り災証明業務」等について、都の訓練や研修に職員を参加させております。そのほか、総合防災訓練や防災フェスタにおいても、証明発行訓練を行っており、今後も、より実践的な訓練を行ってまいります。 また、ご提案の備蓄物資の点検については、都が11月19日を「備蓄の日」と定めており、区としても、「備蓄の日」を活用した周知等について検討してまいります。 次に、自助・共助・公助についてのお尋ねですが、 ご指摘のとおり、災害への備えとしては、自らがその生命と財産を守る「自助」が基本であり、そこから地域の防災まちづくりとしての「共助」につなげていくことが重要であると考えております。 災害時において、区民同士の助け合いである「共助」を高めるためにも、「自助」の重要性を周知、啓発してまいります。 また、区では、事前防災の「公助」として、家屋の耐震改修や、家具転倒防止対策等の助成を行うとともに、最低3口分の水や食料の備蓄や、家族との安否確認手段の取り決めを推進するなど、「自助」を高める取り組みを進めております。 次に、避難所の質の向上に関するご質問にお答えします。 まず、避難者への支援の仕組み及び要配慮者への支援等についてのお尋ねですが、 区では、避難所33か所、妊産婦・乳児救護所4か所を指定しているほか、災害の状況に応じて、二次避難所である福祉避難所の開設や、協定を締結している民間施設を避難所とすることを計画しており、今後とも、区民の皆様への周知に努めてまいります。 また、本年度から開始した「避難行動要支援者名簿制度」は、町会・自治会や民生・児童委員等の支援者による平常時からの見守り等を通じて、災害時の適切な支援につなげることが目的であり、支援者に対する説明会を順次実施することで、周知に努めているところです。 今後は、高齢者あんしん相談センターや障害者基幹相談支援センターを活用し、制度の周知や外部提供への同意についての理解促進を図るとともに、個別の避難支援計画を着実に作成し、その内容を支援者に知らせることで、要配慮者への支援を適切に行うよう、努めてまいります。 次に、在宅避難者支援等についてのお尋ねですが、 地域活動センターが中心となり、町会・自治会やボランティア等の協力を得て、在宅避一難の状況を把握し、物資の供給を含め、必要な支援に努めるとともに、要配慮者については、指定避難所ごとに配備する「避難行動要支援者名簿」等に基づい、て、必要な支援を行ってまいります。 次に、多様な避難者を想定した避難所の質の向上等についてのお尋ねですが、 避難所総合訓練等では、避難所運営ゲーム「HUG(ハグ)」等により、要配慮者のスペース確保や、プライバシーへの配慮など、様々な事態を想定した訓練を実施しております。 こうした訓練の結果を踏まえた実効性ある避難所運営マニュアルを作成し、実際に運用されることで、避難所運営の質の向上が図られるものと考えております。 また、災害対策本部の指揮の下、避難所運営部、災対福祉部、医療救護部等が連携して、適切に被災者の救護や支援を行ってまいります。 |
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