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議会報告 

平成28年6月定例議会一般質問

公明党文京区議団
代表質問 
岡崎 よしあき

QQ 質問

防災対策について

始めに防災対策についてお伺い致します。

先の熊本地震は日本中に大きな衝撃を与えました。4月14日 21時26分熊本地方でM6.5の地震が起き、16日未明にはさらにM7.3の地震が熊本地方から阿蘇地方を襲いました。28時間を経て、同じ場所で立て続けに2度観測された「最大震度7」の強い揺れは、気象庁によると観測史上初めてということであります。
5年前の東日本大震災同様、想定外の大地震がまた起きたのであります。今回の熊本地震を教訓に、本区として、地域防災計画の修正だけではなく見直しも必要かと思われますがご見解をお伺い致します。
一つには避難所のあり方です。
現在33か所の指定避難所で約4万人の避難者を想定していますが、見直しが必要なのではないでしょうか。備蓄物資も現状でいいのでしょうか。
熊本地震では余震への恐怖ということもありましたが、想定した人数の2倍の人が避難をされたそうです。又、車中泊をした人も数多くいました。本区においても、小中学校などの指定避難所だけではまかなえず、区有施設や民間企業などに避難所的なものも各地に自然とできることが予想をされます。そのような避難所や避難者をどのように把握していくのか。物資の供給体制をどのように図っていくのか。その場合のマンパワーをどのように確保していくのかも必要になってくると思われますがいかがでしょうか。お伺い致します。

次に避難所との情報伝達と情報収集についてお伺い致します。
東日本大震災でも課題となった救援物資の滞留問題であります。
県庁に全国からの救援物資が届いても避難所には届かず、高校の校庭にパイプ椅子を並べて「SOS」の文字を描いた報道がありました。
道路状況もありますが、救援物資を的確に避難所に届けるには、災害対策本部と福祉避難所や妊産婦・乳児救護所を含め避難所との情報収集と情報伝達は不可欠です。
今の体制と方法で大丈夫なのでしょうか。見直す必要があると思われますがご見解をお伺い致します。
避難所の整備も重要ですが、やはり一番大切なのは区民の皆様が自助の大切さを再確認することだと思います。水や食料を各家庭で備蓄し、その備蓄を避難所に持っていくぐらいの意識を高めることが必要なのではないでしょうか。
それとともに、災害時の行政の人手不足は目に見えており、避難所運営をはじめ共助の仕組み作りを積極的に取り組むべきと思われますがご見解をお伺い致します。

次に、今後の減災対策としての取り組みについてお伺い致します。阪神淡路大震災の時の死亡原因が建物の倒壊や家具の転倒による「圧死」や「窒息死」が83%を超えました。その対策として家具の転倒防止策や家屋の耐震化をこれまでも図ってきましたが、更に強化する必要があると思います。又、市街地火災では電気による出火が主な原因ですが、昨年の一般質問で提案させて頂いた感震ブレーカーの普及・促進も更に強化が必要かと思われます。更に急傾斜地への対応も早急に必要かと思われます。今後、どのように取り組んでいかれるのかお伺い致します。

AA 答弁

区長 お答えいたします。
最初に、防災対策に関するご質問にお答えします。
まず、想定避難者数と備蓄物資の見直し等についてのお尋ねですが、
議員ご指摘のとおり、「地域防災計画」では、約4万人の避難所生活者が発生することを想定しておりますが、想定を超える避難者が発生した場合には、区の二次避難所として、公共施設の活用や、大学等との協定による避難スペースの確保に努めるとともに、備蓄倉庫の整備を進め、非常食等の備蓄物資の充実を図ることとしております。
また、今後は、国や都の動向を捉えつつ、熊本地震の教訓を踏まえ、区としてもこれらの検証を行う必要があると考えております。
なお、発災時に、区が設置する避難所以外の自主避難先に・ついては、町会や災害ボランティア等と協力して、その状況や要望等の把握に努め、物資の供給体制等について適切に対処してまいりたいと存じます。

次に、災害対策本部と避難所等との情報伝達についてのお尋ねですが、全ての避難所及び妊産婦・乳児救護所には、地域系防災行政無線を設置しており、指定された職員が参集し、直ちに災害対策本部と情報連絡を行います。
また、情報収集については、各避難所を管轄する「地域活動センター班」が地域の状況を把握し、適宜、災害対策本部へ報告します。
なお、福祉避難所は必要に応じて開設されますが、その際は、「災対福祉部」等の職員が情報連絡を行うこととしています。
今後、危機管理対応訓練及び福祉避難所における訓練を重ね、課題を検証することで、災害時の情報収集及び伝達能力をさらに向上してまいります。

次に、自助意識についてのお尋ねですが、 議員ご指摘のとおり、災害への備えとしては、自らがその生命と財産を守る「自助」が基本であり、そこから「共助」につなげていただくことが大切であると考えております。
今後も、自分の身を守る防災行動力の向上や家庭内備蓄の重要性について、防災ブック「東京防災」等を活用し、広く周知するとともに、防災訓練等の機会を通じて積極的にお知らせをしてまいります。

次に、共助の仕組みづくりについてのお尋ねですが、
大規模な災害時には、行政だけの対応に は限界があり、区民同士による助け合いが必要不可欠となります。
区では、区民参加による避難所総合訓練 や区民の自主的な活動である避難所運営訓練等を通じて「共助」と「公助」の連携を強化することで、災害への備えを推進してまいります。

次に、減災対策についてのお尋ねですが、本年度から開始した「避難行動要支援者名簿登録制度」について、登録対象者へご案内をする際には、家具類の転倒防止器具設置に係る経費助成や、木造住宅密集地域の居住者を対象に行う感震ブレーカー配付に関する申請書類等を同封し、事業の普及・促進を図っております。

また、家屋の耐震化については、「耐震改修促進計画」において、平成32年度末までに、耐震化率を95%にする目標を立てて進めております。
毎月行っている耐震改修・建替え相談会のほか、防災フェスタや避難所総合訓練等の会場で耐震相談を行うなど、引き続き普及活動に努めておりますが、実績等を踏まえ、今後、耐震化促進事業の見直しを検討してまいります。

さらに、急傾斜地への対応については、 現在、都が実施している、土砂災害防止法に基づく基礎調査の結果、土砂災害警戒区域等が指定された場合には、該当する地域住民に対し、都と合同で説明会を開催いたします。また、調査結果を「地域防災計画」に反映するとともに、ハザードマップを作成するなどして、区民周知を図ってまいります。
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