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議会報告 

平成28年6月定例議会一般質問

公明党文京区議団
代表質問 
岡崎 よしあき

QQ 質問

子育て支援について

次に、保育所待機児童の現状と今後の対策についてお伺いいたします。
 政府は「待機児童解消加速化プラン」に基づき、保育所などの受入人数の拡大や保育士の処遇改善などに取り組んできたところですが、依然として2万人を超える待機児童が存在しています。
 本区も例外ではなく、昨年2月の待機児童数は132名を数え、今年度はそれを大きく上回ることが予想され、この事態を重く受け止め、私たち公明党文京区議団は、いち早く、成澤区長に緊急要望を提出させていただきました。保育所入園一次不承諾だったお母さんの声でもある「一刻も早く保育園を増設してほしい。そして、安心して子育てをしながら仕事を続けていきたい」との要望にお応えをするため、国においても、我が公明党は、対策推進プロジェクトチームを立ち上げ、緊急提言をまとめ、政府に提出をいたしました。
 本日は、本区の実情に即した、保育の受皿拡大についての具体策を提案させていただきます。
 まず初めに、優先課題は、待機児童の九割以上を占めるゼロ歳から二歳児の受皿を確保すること。そのために、家庭的保育・小規模保育など多様な保育サービスの拡充も含め、抜本的には、就学前まで通える保育所の増設が急務です。最新の区の取組状況をお示しください。
 次に、地域インフラを活用した受皿の整備です。地域インフラ、例えば地域の高齢者宅、空き家、空き店舗、空き教室などを活用した一時預かりの推進など、弾力的な受皿拡大を進めることも一つのアイデアかと考えます。こういった考えに対する区の御見解をお聞かせください。
 三つ目に、利用者への支援事業です。本区でいえば「保育ナビゲーター」の機能強化を是非図っていただきたいと思います。区民に一番近い保育ナビゲーターは、利用者にとっては頼みの綱です。多様な保育ニーズと保育施設とのマッチングを行う利用者支援事業について、申請前段階からの相談支援や保留者を対象とした夜間・休日時間外相談を実施したり、地域活動センターなどを活用し「出張入園相談の導入」を提案させていただきます。そうした利用者の視点に立った機能強化を推進することは、そのまま利用者の不安を取り除くことになると考えます。是非着手していただきたいと思いますが、区長の御見解をお伺いいたします。
 次に、文京区版ネウボラ事業の充実についてお伺いいたします。
 妊娠から出産、子育て期にわたる切れ目のない支援を行うため、昨年度より都内初の文京区版ネウボラ事業がスタートいたしました。3歳までの愛着形成が大切と考え、我が会派が産後ケアを推進、ネウボラ事業へ進展したことは大いに評価するところであります。その一方で、乳幼児への虐待や母親の産後鬱など深刻な事態が後を絶たず、解決を見出さなくてはならないと痛感をしております。
 その背景について、先日、助産師会の皆様と意見交換をさせていただきました。その中で、例えば「こんにちは赤ちゃん訪問事業」で、支援が必要な母親が非常に多くなっているとの報告がありました。夫からのモラルハラスメントを受け、心身共に病んでいる母親など、抱えている状況は様々だそうであります。いずれにしても、もっと早く、本区のネウボラ事業のサービスを知っていたらこんなに深刻にならないで済んだのではと語っておりました。
 そこで、ネウボラ事業の周知について、改善策を提案させていただきます。妊娠が分かり、母子手帳をもらいに行くときに渡される「母子バック」には、健診票を始め、たくさんの案内が入っており、ネウボラのパンフレットを改めて取り出してじっくり読む余裕は余りないのが現実だそうです。では、少し落ち着いてこういったサービスを知ろうとする時期はいつか。それは産休に入った頃だそうであります。この頃に、2度目の周知をダイレクトメールなどで行うと効果的なのではないでしょうか。さらに、子育て応援メールマガジンを活用し、宿泊型ショートサービスやパパママの交流事業など、タイムリーに案内していただきたいと思います。
 また、先日のニュースで、厚生労働省の研究班が「妊婦を対象に鬱病などの疑いでケアが必要な女性がどのくらいいるか」という調査をした結果、約四%の女性に鬱病の疑いや精神的な不安があると判明したと報道をされておりました。こういった精神疾患の疑いがある妊婦のケアは、現状、産婦人科医などが約8割、精神科医などの専門医は約2割となっており、メンタルケアを行う専門医の育成が必要です。本区のネウボラ事業においても、メンタルケアに対する十分な支援策が必要と考えます。例えば、ネウボラ事業は主に母子保健コーディネーターと助産師さんとで行っておりますが、新たにメンタルケアができる専門職を置くことを検討してはいかがでしょうか。区長の御見解をお伺いいたします。
 また、目の前の母親や父親にどういった支援が必要かを見極める力が必要です。研修やケース会議などの開催で地区担当のスキルを高めていただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。
 さらに、文京区は、大学病院が数多くあり、また、妊婦と一番接点があるのは、受診している病院です。その病院の医師に、もっと本区のネウボラ事業を知っていただき、必要な人にアドバイスできるよう、保健サービスセンターと医療機関の連携を密にしていただきたいと思いますが、区長の御見解をお伺いいたします。
 次に、小児B型肝炎ワクチンの予防接種年齢対象外の方への助成についてお伺いいたします。
 かねてより要望しておりました小児B型肝炎ワクチン接種の公費助成が、今年の10月よりゼロ歳児を対象に、予防接種法に基づき「定期接種」に切り替わることになり、大変うれしく思います。
 対象者は、本年の4月以降に生まれたゼロ歳児のお子さんです。
 昨年、実施したミキハウス子育て総研が運営する「ハッピー・ノートドットコム」のアンケート調査によれば、「感染のリスクを下げたい」、「医師から勧められたから」、「安全性が高い」との理由から33.5%という3人に1人がワクチンを実際に受けており、今後受ける予定をしている7.5%の人を含めると4割以上が接種に積極的であることが分かりました。
 しかし、受ける予定はないという保護者が44.1%あり、受けない理由は「任意接種だから」、「医師から勧められない」、「ワクチンを知らなかった」、「自治体の助成がないから」、「副反応が気になるから」、「周囲に接種者がいないから」と続いており、必要性の周知が足りないこととともに、定期接種のスケジュールが詰まっている中、自己負担で任意接種を受けるのは難しかったのかもしれません。
 そこで、現在、本区の3歳までの幼児の接種率はどのようになっているのかお伺いいたします。
 3歳以下の子どもが感染すると、キャリアといってウイルスを体内に保有した状態になりやすく、このキャリアになると慢性肝炎になることがあります。慢性肝炎になると長期にわたる治療を必要とし、最悪の場合、肝硬変や肝臓がんなどの命に関わる病気を引き起こします。また、急性肝炎から劇症肝炎を起こし、死に至るケースもあります。この機会に、先ほどの受けていない方々の理由を基に、定期接種のお知らせとともに、是非必要性の周知をお願いしたいと思います。
 これまで渋谷区、豊島区、品川区、千代田区、新宿区では公費の助成をしており、中でも豊島区と千代田区では全額の補助をしております。
 小児B型肝炎ワクチンは、定期接種にするほど「子どもにとっては必要なワクチン」でもあります。無料を待たずに早期に予防接種を受けることがお勧めであることから、本区においてもいまだに受けていない乳幼児にとって必要性を考え、接種漏れの救済対策として3歳児までの未接種の乳幼児については助成などの減免措置を検討していただきたいと思いますが、区長の御見解をお伺いいたします。

AA 答弁

区長 次に、子育て支援に関する御質問にお答えします。
 まず、保育施設整備についてのお尋ねですが、保育ニーズの増大に迅速に対応するため、保育所待機児童の多く発生している地域を中心に、平成29年4月に私立認可保育所を五施設以上開設いたします。
 また、開設当初に募集を行わない4、5歳児の保育室を活用し、保育所待機児童の多い1、2歳児の定期利用保育を実施します。
 さらに、多様な保育サービスの充実を図るため、家庭的保育については、補助制度を拡充し、施設数の増設を行うとともに、小規模保育事業等の地域型保育事業についても、補助スキームを検討の上、整備を進めてまいります。
 次に、地域インフラの活用についてのお尋ねですが、保育所待機児童数が大幅に増えることが予測される中、本年4月、「保育園等待機児童緊急対策会議」を庁内に設置し、民有地だけでなく、学校、公園等を含む区有施設の中で、保育施設に転用可能な物件について、全庁的な検討を進めているところです。
 次に、保育園利用者等への支援についてですが、本年度から、保育課を幼児保育課に改め、保育園のみならず、幼稚園、認定こども園などの就学前の入園相談をワンストップ化するとともに、保育ナビゲーターを増員し、多様な保育ニーズに応える相談体制を整備したところです。
 今後も、保護者の心情に寄り添った丁寧な対応を心掛け、より分かりやすく、親しみやすい相談窓口となるように工夫してまいります。
 なお、御指摘の夜間・休日の相談窓口の設置等については、利用者の御意見・御要望等も踏まえ、検討してまいります。
 次に、文京区版ネウボラ事業の周知についてのお尋ねですが、現在、妊娠届の提出に伴う妊婦全数面接で、支援が必要であると思われる妊婦に対し、継続して事業の周知に努めているところですが、一層の周知を図るため、全数面接の機会を捉え、「子育て応援メールマガジン」への登録を御案内し、タイムリーに必要な情報を配信するなど、PRに努めてまいります。
 さらに、効果的な周知方法についても、今後、研究してまいります。
 次に、ネウボラ事業における専門職についてのお尋ねですが、従来から、精神的に不安のある産婦に対して、臨床心理士による産後心理相談や、精神科医による精神保健相談を行ってきたところですが、本事業では、妊婦に対しても同様の支援を行うことといたしました。現在のところ、専門職を置くことは考えておりませんが、今後とも臨床心理士等による相談事業を有効に活用し、妊産婦のメンタルケアに努めてまいります。
 次に、ネウボラ事業の担当職員のスキル向上についてのお尋ねですが、本事業に関わる保健師と助産師をメンバーとして、支援方針の検討と知識の共有を目的とする定期的な連絡会を開催するほか、専門家を招いた研修会を行っております。
 さらに、「ゆりかご・とうきょう事業」として充実が図られた、都主催の母子保健研修等にも積極的に参加するなど、今後とも新たな知識や情報の習得に努めてまいります。
 次に、医療機関との連携についてのお尋ねですが、昨年度、ネウボラ事業のリーフレットを作成し、大学病院を含む区内の産婦人科・小児科医療機関にも事業の周知を行いました。
 その結果、医療機関から、支援が必要な妊婦についての連絡が増えるなど、効果が出てきておりますので、引き続き緊密な連携に努めてまいります。
 次に、小児B型肝炎ワクチンについてのお尋ねですが、3歳までの接種率については、任意予防接種であるため、把握をしておりませんが、定期予防接種の対象者には、円滑に接種ができるよう個別に案内を送付するとともに、区報等による周知を進めてまいります。
 また、定期予防接種では、必要となる3回の接種を生後1歳までに完了しなければならないため、対象年齢を外れた児童について接種を推奨する考えはありません。今後とも、国が定めた対象者が接種完了できるよう予防接種事業を行ってまいります。
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