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議会報告 

令和4年6月定例会議一般質問

公明党文京区議団
代表質問 
田中 かすみ

QQ 質問

孤独・孤立支援について

 次に、孤独・孤立支援について伺います。

 長引くコロナ禍で深刻化する社会的な孤独・孤立の問題について、総合的な対策を推進するため、政府は、孤独・孤立対策担当室を設置、昨年12月、重点計画をまとめ、「孤独・孤立は誰にでも起こりうる。社会全体で対応をしなければならない」として取り組みの強化を打ち出しました。
 また、今年4月には孤独・孤立に関する初の全国実態調査の結果を公表。何らかの形で「孤独感がある」と回答した人の年代別割合は20、30歳代が4割を超え、若い世代ほど高かった実態が判明しました。

 大学でオンライン授業となり、友人ができないといった相談がNPOに相次いでいるとのことです。区議団にもそういった声が届いています。
 日本福祉大学の斉藤雅茂 社会福祉学教授は「孤独・孤立は高齢者の問題と思われがちだが、若い人でも深刻であることが改めて確認された。詳細に分析して政策に反映させる必要がある」と指摘されております。そこで本区としても実態調査を踏まえ、相談体制の強化や居場所づくり、アウトリーチ型支援などに取り組むとともに、支援の担い手となるNPOについても「重要かつ必要不可欠」として後押しをしていくことが望まれますが、今後の取り組みをお伺いします。

 公明党は、街頭政策アンケート「VOICE ACTION」を通し、若者の声を聞き、幼児教育無償化や就労支援など政策実現につなげてきました。
 本区においても、若者の悩みを丁寧に聞き取り、解決に導いてもらいたいです。
 令和3年6月定例議会の一般質問で「重層的支援体制整備事業」にふれ、本人を中心として、断らない相談支援と地域づくりで社会的孤立を解決してほしいとの要望に、次のように答弁されました。「多機能な居場所等で相談の場をつくりながら、地域福祉コーディネーター等と、複合的な課題や制度等の狭間にある課題への対応を進めている、これらを組み合わせることによって、「文京区版」地域包括ケアシステムの構築を推進する」と。

 あれから、ちょうど1年が経ちましたが、「文京区版」地域包括ケアシステムの構築の進捗はいかがでしょうか。
 依然、長引くコロナと物価高騰など厳しい社会状況が続く中、一人が抱える悩みは、深刻化しているといった声も聞かれます。区が捉える課題や対応について伺います。

 私は、相談者に最適な官・民・NPO・地域住民らのカスタマイズなチームの整備、そのチーム力の強化が、一層求められていると感じています。加えてICTの活用を増やし、効率的な相談等の業務改善が必要ではないでしょうか。見解を伺います。
 「自分は一人じゃない」と感じ、困難を抱えた全ての方が、力強く一歩を踏み出せるよう、文京区らしい地域包括ケアシステムを構築していただきたいです。

AA 答弁

区長  次に、孤独・孤立の課題に対する支援についてのお尋ねですが、

 区では、高齢者、子ども、障害者及び生活困窮者等の支援に係る相談機関等の連携強化を図りつつ、子どもの貧困や医療的ケア児、ひきこもり等の今日的な福祉課題にも取り組んでまいりました。
 また、社会福祉協議会を通じて、多機能な居場所で、住民による相談の場をつくるとともに、コーディネーターを配置し、複合的な課題や制度等の狭間にある課題への対応も進めてきております。
 これらのアプローチを組み合わせることによって、コロナ禍で深刻化する孤独・孤立の課題につきましても、各相談支援機関等がその把握に努めるとともに、必要な支援につなぐことができるよう、包括的な支援体制を整えてまいります。

 次に、「文京区版」地域包括ケアシステムについてのお尋ねですが、

 昨年度から、複合的な課題や制度の狭間にある課題に対応するため、福祉・保健・子育て・教育などの相談窓口を設置する関係部署間において協議を開始しました。
 その中では、各分野の相談支援機関の法的役割や相談事例を共有したうえで、各法制度の中での守秘義務と情報共有のあり方や、多機関連携に必要となる情報共有ツール等、支援現場における課題の整理を進めているところです。
 今後は、ヤングケアラー等の今日的な福祉課題をモデル事業としながら、包括的な相談支援体制を整えてまいります。
 また、重層的支援体制整備事業の事例なども踏まえつつ、地域共生社会を目指す「文京区版」地域包括ケアシステムの構築に向けて、さらに検討を進めてまいります。
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