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質問
次に今後の財政運営についてお伺いいたします。
国難とも言われている新型コロナウイルスに対して、全庁をあげて感染防止への取り組みや中小企業支援など区民の生命と暮らしを守るため、日夜ご努力をされていることに感謝と御礼を申しあげます。
一方で、災害に強く安心安全なまちづくりや、進展する高齢化と本格的な人口減少社会への対応など、コロナ対策以外の諸課題への対策も着実に進めていかなければなりません。そのためには、将来に禍根を残さない持続可能な財政運営が必要不可欠になってまいります。
本年2月、区長の施政方針の中では「基本構想の根幹となる理念や将来都市像は、あらゆる分野の共通の指針として、引き続き継承していく」とされました。総人口も今後、約20年間は増加を続けると分析されましたが、コロナ禍において、将来都市像も財政状況も見直さざるを得ない状況と思いますが、区は、将来都市像や人口動向を今、どのように捉えていますか。また非常事態とも言える現在の状況下にあって、区の財政運営の舵取りをどう行っていくか、見解を伺います。
内閣府が8月17日発表した2020年4~6月期の国内総生産の速報値では、物価の変動を除いた実質で前期比7・8%減、この状態が1年続いた場合の年率換算は27・8%減となり、リーマン・ショック後の09年1~3月期の年率17・8%減を上回る戦後最悪のマイナス成長を記録しました。新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言で個人消費が大きく落ち込み、世界的な感染拡大により輸出も急減して内外需ともに総崩れの状態になっております。
区の歳入の根幹をなす特別区税、特別区交付金、地方消費税交付金は個人や法人の所得や消費に大きく左右されるものであり、経済情勢の低迷により区財政も大きく影響を受けることが予想されます。
こうした歳入、歳出の情勢見通しから本年度の財政運営、更には来年度以降の予算編成にも大きな影響を及ぼすものと考えますが、本区のご見解をお伺いいたします。
仮に、厳しい財政状況が続くとしても、コロナ対策関連へは、引き続き財源を重点的に投入していかなければなりません。本区の事業全般の緊急度・優先度を改めて精査する必要もあるかと思われますが、見解を伺います。
また、コロナ禍という先行き不透明な中、4年間を計画期間とした「文の京」総合戦略をどのように位置づけるのか、進捗状況の確認をはじめ、進路変更も考える必要があると思いますが、見解を伺います。
答弁 |
区長 |
次に、財政運営等に関するご質問にお答えします。 まず、将来都市像及び財政見通しの見直しについてのお尋ねですが、 基本構想に掲げる将来都市像は、広く区民や区議会の参画により創り上げてきたものであり、「文の京」総合戦略においても、あらゆる分野における共通の指針として継承いたしました。長期的な視点から、区政運営の根幹を成すものとして、今後も、その実現に向け、様々な施策に取り組んでまいります。 一方、総合戦略に示す今後の財政見通しについては、新型コロナウイルス感染症の影響による大幅な歳入減等も踏まえ、予算編成の結果等に基づき、毎年度見直しを行い、将来にわたり持続可能で安定的な財政運営に取り組んでまいります。 次に、本年度の財政運営への影響についてのお尋ねですが、 歳入については、国の緊急経済対策に盛り込まれた徴収猶予の特例制度等により、特別区民税が一時的に減収になると見込んでおります。 さらに、既に特別区財政調整交付金の本年度当初算定においても、不合理な税制改正の影響等により、前年度と比較し減少するなど、今後大きな影響が生じるものと考えております。 こうした中にあっても、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた区民生活や区内経済の支援にスピード感を持って取り組むため、予算の流用や、追加の補正予算により、機動的に事業を実施しているところです。 次に、来年度以降の予算編成への影響についてのお尋ねですが、 新型コロナウイルス感染症の影響に伴う企業業績や雇用環境の悪化、消費の減速等により、景気は後退の局面となり、特別区民税をはじめとする一般財源は、大幅な減収が想定されます。さらに、国による不合理な税制改正等の影響を含め、今後、複数年にわたり歳入減が続き、区の財政基盤は、極めて厳しい状況に直面するものと考えております。 これらの状況を踏まえ、喫緊の区政課題への対応に必要な予算について優先して配分するとともに、経常的経費の一層の削減に努め、歳入に見合った歳出の原則に基づき、予算を編成してまいります。 次に、事業の緊急度・優先度についてのお尋ねですが、 今後見込まれる、極めて厳しい財政状況にあっても、感染症から区民の健康や生活、区内の経済活動をしっかりと守るため、来年度の重点施策においては、「文の京」総合戦略の主要課題の解決につながる施策のほか、感染症対策や経済対策等を優先度の高い施策として選定するなど、事務事業の選択と集中により、限られた財源を効果的に活用してまいります。 次に、「文の京」総合戦略についてのお尋ねですが、 総合戦略は、重要性・緊急性が高い課題を明らかにした重点化計画であり、コロナ禍においても、総合戦略に掲げる主要課題の解決等に向け邁進してまいります。 施策や事業の展開は、毎年度の行政評価により絶えず検証を加えることで、計画期間中であっても、より効果的・効率的な手段に組み替えながら、戦略的な事業展開を図っていくこととしております。 このたびの新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、総合戦略に示した各施策にも幅広く影響を与えており、戦略点検シートを用いた進行管理において、その状況も踏まえた今後の展開を示しております。 感染症対策については、これまでも感染拡大の状況に応じて、補正予算等で機動的に対応してきましたが、今後も中長期的な視点で対策に取り組む必要があることから、総合戦略の新たな主要課題に加えてまいります。 |
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