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議会報告 

令和3年6月定例議会一般質問

公明党文京区議団
代表質問 
宮本 伸一

QQ 質問

社会的孤立防止と生活困窮者への支援体制強化について

 次に、社会的孤立防止と生活困窮者への支援体制強化について伺います。

 長期化するコロナ禍に伴い、社会的孤立や孤独が深刻化しています。

 専門家は、コロナ禍の影響について、従前から生活が不安定だった女性や子ども、親に頼れない若者らに対する支援策が十分でなく、孤立者の増加が懸念されると指摘しています。

 本区の生活困窮者自立支援事業について、先日、区議団は所管課長と委託事業者に状況をお伺いしました。

 2020年度の生活困窮者自立相談支援事業の実績は、1111件。中でも住居確保給付金の受付は、前年の51倍に当たる714件、決定者は32倍の455件、延長273件、再延長179件、再々延長が105件と、かつてない苦境に立たされている方々が多くいらっしゃることを感じました。

 世帯構成を見ると、2世帯が2割、単身者は7割に当たり、孤独の中で暮らしている実態も浮かび上がりました。

 決定に至らなかった方については、どのようなフォロー体制でその方を支援しているのか、初めに伺います。

 一方で、社会福祉協議会にも、コロナ禍での実態を伺いました。令和2年4月から今年4月の1年間で、緊急小口は2162件、総合支援資金は1478件、合計3640件。さらに総合支援資金の再貸付は657件で、約半分の方が再貸付を申請しています。

 公明党としても、苦しい生活が続く世帯を支援するため、生活福祉資金の特例貸し付けと、家賃相当額を補助する住居確保給付金の再支給について、3月末までだった申請期限を6月末へと延長を要望。実現させることができました。

 特例貸し付けの返済は、基本的には22年度以降、緊急小口資金は最長2年、総合支援資金は最長10年かけて返すことになりますが、返済が困難な場合も想定されます。

 「生活再建を最優先に」との公明党の提言を踏まえて、返済免除の要件を明確化。緊急小口資金と総合支援資金「初回分」は21年度または22年度、総合支援資金「延長分」は23年度、同「再貸し付け分」は24年度に、借受人と世帯主が住民税非課税であれば、それぞれ返済を一括免除すると決めました。ぜひ、丁寧に周知をして、最後まで支えていただきたいと思いますが、区の見解を伺います。

 一方、貸付の状況が厳しくなり、多額の借金を背負う人も出ています、免除になっても、その先の生活が保証されているわけではなく、その後の生活も心配です。

 したがって、中長期的に、困窮者の方々と伴走する、「伴走型の支援」の整備が急務と考えます。区の困窮者支援のあり方についてどのようなビジョンをお持ちか伺います。

 合わせて、生活困窮者自立支援事業にとって、重要な視点は何か、区の見解を伺います。

 さらに、福祉部生活福祉課と社会福祉協議会、そのほか、あらゆる関係機関と協力し連携をとって、困窮者の手をはなすことなく、支援することが重要と考えます。
 区が考える「連携」のあり方について、伺います。

 現場を歩く社協の方からは、「制度の狭間で生活保護を受けるか、死を選択するか、といった大変厳しい経済状態、精神状態に置かれている区民が、一定数いる」とお伺いしました。社会的孤立解消に向け、相談業務のあり方、窓口のあり方も、見直す必要があると考えます。

 窓口は、間口は低く、広く取る必要があると考えています。その意味で、受け止めるプロ集団である社協と、自立支援事業を担うプロ集団の事業所が手を携えて、アセスメントを丁寧に行える、そうした窓口が理想と考えます。
 全ての困窮者を受け止める窓口のあり方について、区の見解を伺います。

 5月21日、公明党は、菅首相、坂本孤独・孤立担当相に、「孤立防止対策に関する提言」を手渡しました。この提言は、公明党が9回にわたり実施した専門家などとの意見交換や、国会議員と地方議員が全国で1カ月半をかけて行った計1039件の聞き取り調査を基にまとめたものです。

 この中で、本年4月から改正社会福祉法において創設された「重層的支援体制整備事業」を、自治体が速やかに実施できるよう政府の推進を求めております。

 この事業は、制度や属性ではなく、本人を中心として、断らない相談支援と参加支援、地域づくり支援を一体的に実施し、社会的孤立を解決する基盤となります。

 本区において、この事業を速やかに実施し、制度の狭間に陥ることのなく支援を行える体制づくりを行っていただきたい、見解をお伺いします。

AA 答弁

区長  次に、生活困窮者への支援体制の強化に関するご質問にお答えします。

 まず、住居確保給付金についてのお尋ねですが、

 支給対象外となった方については、生活困窮状態に陥った個別の状況により、各種貸付制度や国及び都の助成金等の案内を行うとともに、必要に応じて関係機関の窓口への同行や、ハローワーク等と連携した求職活動の支援等を行っております。

 次に、生活福祉資金の特例貸付についてのお尋ねですが、

 本事業は、都社会福祉協議会から受託して、各区の社会福祉協議会が実施しており、文京区社会福祉協議会のホームページ等において、申請手続き等を案内しております。
 償還免除の要件等については、返済時期にあわせて、都社会福祉協議会から利用者に個別に通知すると聞いております。
 本区としては、引き続き、区社会福祉協議会をはじめとする関係機関と連携し、生活にお困りの方に寄り添った丁寧な支援を行ってまいります。

 次に、生活困窮者支援についてのお尋ねですが、

 生活困窮者の自立支援については、早期に社会的・経済的に自立した生活を送ることができるよう、様々な事業を展開しているところです。
 生活困窮者自立支援事業においては、個々の状況に応じて、継続的に支えていくことが重要であると考えており、今後も、生活困窮者の尊厳を保持しながら、自立に向けた自己決定ができるよう、一人ひとりに寄り添った支援を進めてまいります。
 また、生活困窮状態に陥った方への支援は、本制度に位置づけられている支援だけで完結するものではなく、様々な関係機関との連携を行うことが重要であると認識しております。
 支援施策を扱う窓口や支援機関は、多岐にわたっており、相談内容に応じて適宜支援を行っているところです。
 関係機関における対応で総合的な相談支援が必要な方については、包括的・一元的に自立相談支援機関の窓口で適切に対応できるよう、支援者間の連携を強化し、今後も、切れ目のない、効果的な支援を進めてまいります。
 
 次に、「重層的支援体制整備事業」についてのお尋ねですが、

 区では、複雑化する課題の早期発見及び包括的なサポート体制の強化を図るため、高齢者、子ども、障害者及び生活困窮者等の支援に係る相談機関等との連携を強化するとともに、子どもの貧困や医療的ケア児、ひきこもり等の社会課題についても取り組んでまいりました。
 また、令和元年度から昨年度にかけて、国のモデル事業として、「地域共生社会の実現に向けた地域づくりの強化のための取組」を社会福祉協議会に補助し、進めてまいりました。本年度も、多機能な居場所で、住民による相談の場をつくるとともに、広域の相談支援機関のコーディネートを行う「相談支援包括化推進員」を配置し、地域福祉コーディネーターと兼務することで、複合的な課題や制度等の狭間にある課題への対応を進めております。
 これらを組み合わせることによって、「文京区版」地域包括ケアシステムの構築を推進しており、重層的な支援体制につながっているものと考えております。
 これまでの取り組みを踏まえ、「重層的支援体制整備事業」の実施については、今後検討してまいります。
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