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質問
次に地域共生社会の実現に向けた取り組みについてお伺いいたします。
はじめに、生活困窮者等への支援充実についてお伺いいたします。
政府は「地域共生社会」を目指し、経済的に厳しい状況にある単身の高齢者や子育て世帯への支援を強化する「生活困窮者自立支援法等の一部を改正する法律」が令和6年4月24日に公布されました。
改正の概要は、1居住支援の強化、2子どもの貧困への対応、3支援関係機関の連携強化等となっています。
本区では「文京区地域福祉保健計画」の改訂を行い、令和6年度からスタートしました。重層的支援体制整備事業を活用するなど、大変に力強い計画になったことを評価いたします。
今回の生活困窮者自立支援法等の一部改正を受け、区の事業をさらに充実されることを期待いたしますがご見解をお伺いいたします。
特に、生活保護や生活困窮に関する相談件数はコロナ禍において増加傾向となっていましたが、現在はどのような内容が寄せられ、どのように対応しているかお伺いいたします。
今回の法改正では「支援会議」の設置を努力義務することとなっておりますが、本区での取り組み状況をお伺いするとともに、今後は、重層的支援体制整備事業における支援会議との連携も必要になると考えますがご見解をお伺いいたします。
次に、高齢者等への居住支援についてお伺いいたします。
先ほどの生活困窮者自立支援法改正とともに、「住宅セーフティネット法」の改正案も提出され議論が進んでいます。
これまで本区では「文京すまいるプロジェクト」を実施し、令和2年度からは「見守りサービス」の提供を開始して高齢者等の入居者数も着実に増加してきたことを評価いたしますが、まだ住宅にお困りの方が相当いらっしゃるのも実情です。
今回の法改正では、「居住支援協議会等への活動支援」、「住宅セーフティネット機能の強化」が主な強化ポイントになっています。
我々公明党文京区議団にも、高齢者等の方々から「なかなか住まいが見つからない」というご相談を継続してお受けしており、「文京すまいるプロジェクト」の紹介などをしていますがサービスの充実が必要と考えます。
今回の法改正を受け、「文京すまいるプロジェクト」の更なる充実を期待いたしますが、区のご見解をお伺いいたします。
次に、障がい者への合理的配慮についてお伺いいたします。
障がいの有無にかかわらず暮らしやすい社会にするための「改正障がい者差別解消法」が本年4月に施行されました。民間事業者に対しても障がい者が生活上で感じるバリアを取り除く対応を義務化します。内閣府は円滑な施行に向けて、昨年10月から障がい者や事業者からの相談に対応する「つなぐ窓口」を開設しています。
自治体としての周知啓発、事業者への支援も必要と考えます。本区では「心のバリアフリー」の推進を行なってまいりましたが、今回の法改正を受けた内容も広く周知をして頂きたいと思いますがご見解をお伺いいたします。
また、中小企業などでは必要な環境整備に経済的な負担も大きい場合もあるかと思います。本区では、区内中小企業等に対して「障がい者雇用促進奨励金の助成事業」を実施していますが、今回の法改正を受け、環境整備への補助も必要かと考えます。足立区では国の補助金を活用して「民間事業者における建築物のバリアフリー化に関する補助金事業」を実施しておりますが、本区での実施を提案いたしますがご見解をお伺いいたします。
また、区内には多くの大学がありますが、私立大学でも本年4月から合理的配慮が義務化となり、取り組みを強化していると伺いました。特に、発達障がいを抱えている学生への修学支援・就労支援には個別具体的な対応が必要となり大きな課題となっています。文部科学省で開催した、「障害のある学生の修学支援に関する検討会」での検討結果「第3次とりまとめ」では、「自治体や地域の支援機関等とのネットワークを構築しておくことも重要」と指摘しています。区のご見解をお伺いいたします。
この項目の最後に、「加齢に伴う難聴者の方々」への合理的配慮と支援強化についてお伺いいたします。
奈良県立医科大学の理事長兼学長の細井裕司氏は「認知症の予防のためにも、加齢による難聴者への支援が必要です。日本では1400万人の難聴者のうち、200万人しか補聴器を使っていないと言われています。」と指摘し、その上で、「今後期待したいのは、軟骨伝導イヤホンの普及です」と述べ、「軟骨伝導イヤホン」の有効性を強調しています。
「軟骨伝導」は、空気を通じて聞こえる「気導」と骨を振動させて聞く「骨伝導」ではなく、「第3の聴覚経路」といわれるものです。「軟骨伝導イヤホン」は、通常の「気導イヤホン」のように耳をふさがないため周囲の音も聞こえ、さらに、「骨伝導イヤホン」では気になる音漏れや側頭部への圧迫感もないのが特徴です。
東京都北区では昨年7月から高齢福祉課窓口に軟骨伝導イヤホンを設置し好評とのことです。軟骨伝導イヤホンを使えば、付属の集音器が職員の声を拾い、イヤホンを通じて相談者にはっきり届きます。また、イヤホンには穴や凹凸(おうとつ)がないため消毒しやすく、担当者は、「不特定多数の人が利用するため、清潔に使えることも導入の決め手だった」と強調しています。
本区でも、高齢福祉課窓口などへの設置を提案いたしますが区のご見解をお伺いいたします。
また、本区が実施している補聴器購入助成事業の対象にも追加することを提案致しますがご見解をお伺いいたします。
答弁 |
区長 |
次に、地域共生社会の実現に向けた取り組みに関するご質問にお答えします。 まず、生活困窮者自立支援法等の改正に伴う事業拡充についてのお尋ねですが、 生活困窮者自立支援法の改正に伴う居住支援の強化については、自立相談支援機関において、住居に関する相談支援等を行うことを明確化しており、これまでの入居や退去時の場面に加え、地域での安定した生活について、一貫した支援ができるよう検討してまいります。 また、生活保護法の改正による「生活保護受給中の子育て世帯へのアウトリーチ事業」については、子どもの貧困への対応として、大切な視点であると認識しております。これまでの実績や課題、ご本人の希望等も踏まえた、区におけるふさわしいアプローチについて検討してまいります。 なお、支援関係機関の連携強化については、法改正前より就労準備支援、家計改善支援、居住支援を実施するとともに、支援会議も設置しており、今後、さらなる強化に努めてまいります。 次に、生活保護等に関する相談状況についてのお尋ねですが、 コロナ禍以降の生活保護や生活困窮者の相談は、高齢や傷病による稼働収入の減少に伴う経済的な困窮相談、居所を失った方からの相談等、複合的な課題を含む世帯からの相談が多く寄せられています。 また、関係機関を通じて相談に来るケースも増加していることから、迅速かつ的確な支援に繋がるよう、生活保護の申請支援や一時的な居所に関する社会資源の活用、就労支援等、丁寧に寄り添った対応をしております。 次に、支援会議についてのお尋ねですが、 区では、生活困窮者を含むひきこもり等自立支援会議を令和2年度より設置しております。今後は、複雑化・複合化した課題について、議員ご指摘のように重層的支援体制整備事業における支援会議も活用し、連携による支援を強化してまいります。 次に、「文京すまいるプロジェクト」についてのご質問にお答えします。 区では、住宅セーフティネット法に基づく居住支援協議会において、効果的な施策について議論し、幅広い居住支援を行っております。 本年度からは、「すまいる住宅登録事業」の要件を一部変更するとともに、「すまいる住宅」へ入居する際の手続きに電子申請を導入するなど、事業のさらなる充実に努めております。 今後も、国等の動向を注視しつつ、高齢者等の住まいの確保と円滑な住み替えに有用な支援となるよう事業を見直し、プロジェクトをより一層充実させて、高齢者等への居住支援を推進してまいります。 次に、障害者への合理的配慮に関するご質問にお答えします。 まず、障害者差別解消法の改正を踏まえた周知等についてのお尋ねですが、 障害のある方への支援の仕方の具体例や、障害者差別解消法の改正内容などを盛り込んで今回改訂した「心のバリアフリーハンドブック」を区立小・中学校や区内関係施設等に配布し、障害や障害のある方に対する理解促進に取り組んでまいります。 また、文京産業ニュース「ビガー」や区内商店を対象としたセミナーにおいて、合理的配慮について周知を行うなど、区内産業団体等の事業者にも様々な機会を通じて情報を発信することで、障害者差別解消法に基づく合理的配慮の理解を進めてまいります。 なお、民間事業者における建築物のバリアフリー化等の環境整備に係る補助については、他自治体の取り組み事例を参考に研究してまいります。 次に、発達障害のある大学生の修学・就労支援のための関係機関とのネットワーク構築についてのお尋ねですが、 障害者就労支援センターにおいて、発達障害のある方の登録が増えていることからも、発達障害者を地域全体で支えるネットワークの構築は、重要な課題であると認識しております。 区には、「地域精神保健福祉連絡協議会」や「障害者差別解消支援地域協議会」、「区内大学地域連携担当者会議」など、区内大学の関係者や、地域の支援機関等が参加する既存の枠組みがあることから、これらを活用し、発達障害のある大学生の修学・就労支援について連携してまいります。 次に、加齢に伴う難聴者への支援強化についてのご質問にお答えします。 高齢期における聴力の低下は、良好なコミュニケーションの妨げになるとともに、認知症の発症を招く大きなリスク要因になると認識しております。 そのため、区では補聴器購入費用助成事業を実施しており、ホームページ等を活用し、普及啓発に取り組んでいるところです。 軟骨伝導イヤホンについては、使用者の聴力や周囲の音の大きさなど、使用する条件によっては一定の課題があるものの、衛生面等のメリットがあることから、高齢者の窓口対応における活用を検討してまいります。 また、補聴器購入費用助成事業については、経済的に困難な高齢者が、医師の診断に基づき、管理医療機器として認定された補聴器を購入する際に助成するものであることから、現時点においては、軟骨伝導イヤホンを助成対象とする予定はございません。 |
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